池波正太郎(新潮文庫)
剣客商売シリーズ13作目
収録5編の登場人物
「消えた女」
千駄ヶ谷の松崎助右衛門を訪ねていた小兵衛は帰り道、山口為五郎に囮を仕掛けて現れるのを待つ弥七と傘得に出会う。
囮をみた、小兵衛の顔色が変わる。
「波紋」
老剣客・藤野玉右衛門を見舞った大次郎は帰り道に弓を射かけられ何者かに襲われる。その日品川に住む岩戸の繁蔵の兄・七助は、大次郎を襲った浪人の一人、関山百太郎を刺殺する。品川の様子を見にいった繁蔵は帰りに立ち寄ったそば屋で、お尋ね者井上権之助を見かける。辻平右衛門道場の同門で医者の横山正元。
「剣士変貌」
橋場の船宿「鯉屋」で、菓子舗「笹屋長蔵」の女房・お吉が15年前に中西弥之助の食客であった横堀喜平次と密会しているところを見る。一時はほっておこうと決めた小兵衛だったが「長虫の甚九郎」と異名を取る、野原甚九郎とも関わりがあることを突き止め張り込みをはじめる。
「敵」
大次郎の道場に来ている中沢春蔵は、賭場で知り合った平吉という男から10両で人一人を気絶させてくれるよう頼まれる。その男は笠原源四郎。翌日、大次郎宅で笠原源四郎が死んだことを知る。笹原は秋山父子とも縁のある人物だった。
「夕紅大川橋」
小兵衛の40年来の付き合いがある内山文太の娘、孫を巡った物語。
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