2005年5月25日水曜日

クローンの祭壇

ピーター・ゴールズワーシー(著)、佐藤 美奈子(翻訳)(文芸春秋)

人工受精研究の第一人者マーラのもとに、新興宗教の教祖が金にあかして設立した大学へのスカウト話が舞い込む。

中絶手術にあけくれる生活に辟易としていたマーラは誘いを受け入れるが。
ちょっとでも痕跡が残っていればDNAを復元してクローンを作り出してしまうというもう実現できていそうな話。
倫理心と科学に対する飽くなき探求心という対比に加えて対象がキリストともなるとさらにややこしい感情が交錯する。

最後にマーラに宿っている命はキリスト??

2005年5月21日土曜日

フェッセンデンの宇宙

エドモンド・ハミルトン(著)、中村 融(翻訳)(河出書房新社)

1937年に書かれたSFの古典。
しかしこの感覚は自分の中にずっとあるもので、創造主とかっていう存在もスッキリして良いかな。なんて思ったりして。

九編収録
---
フェッセンデンの宇宙
風の子供
向こうはどんなところだい?
帰ってきた男
凶運の彗星
追放者
翼を持つ男
太陽の炎
夢見る者の世界
---

2005年5月13日金曜日

半落ち

横山 秀夫(講談社)

現職警察官、梶はアルツハイマー病に苦しむ妻に請われ嘱託殺人を犯してしまう。
犯行から2日後に自首した梶は空白の2日間について何も語ろうとしない。
図書館で予約をしてこんなに時間が掛かった本はない。
映画化される本は人気が違う。

先に映画を観ていたのだが、どうもしっくりしないので原作を読もうと思った。
読んでみるとやはり映画では表現されていない事が多く原作に主題の厚みを感じた。