2010年8月25日水曜日

ジェネラル・ルージュの伝説 海堂尊ワールドのすべて

海堂 尊(宝島社、2009/2/20)

「ジェネラル・ルージュの伝説 海堂尊ワールドのすべて」を読んだ。
田口・白鳥シリーズの番外編といったもの。本作はシリーズ第3弾『ジェネラル・ルージュの凱旋』の主人公、救命救急医・速水が「将軍」と呼ばれるきっかけとなった事件、15年前の若き日の速水を描いている。

また、海堂尊自身による作品解説(登場人物一覧&関係図&年表&用語解説&医療事典付き)や日々を綴ったエッセイを収録している。作品執筆時のBGMの話とかなかなか面白い。

2010年8月15日日曜日

セント・ゲリラの祝祭

海堂 尊(宝島社、2008/11/7)

「田口・白鳥シリーズ」の第4弾。
物語は舞台を桜宮市から厚生労働省に移し「医療事故調査委員会創設検討会」での政治的駆け引きを描く。

例のごとく白鳥からの指名によって厚労省の「医療関連死モデル事業」会議に、リスクマネジメント委員会委員長として出席することになった田口だが、これをきっかけに「医療事故調査委員会創設検討会」のメンバーを引き受ける羽目になる。
そこでは官僚、法律学者、法医学者などの教授達や「バチスタ・スキャンダル」の被害者の遺族などが委員として名を連ねる。

今回の目玉は、かつて第二医師会、スト実行を手引きしたとして注意人物とされている、彦根新吾。
なんと、彦根は田口の2年後輩でポン友。(そういえば本シリーズでは麻雀の打ち方で性格などを表現することが多い)
その彦根が、田口を訪ね桜宮にやってくる。
用件は「医療事故調査委員会創設検討会」にAI導入を提案し、参考人として彦根の相方、檜山シオンを招致すること。

次作へのフックと思える警察庁、斑鳩芳正の動きが気になる。

主な登場人物
田口 公平
高階 権太
島津 吾郎

加納 達也
斑鳩 芳正
北山 錠一郎

白鳥 圭輔
八神 直道
坂田 寛平

西郷 綱吉
田島 勇作
日野 真人
小倉 勇一
田辺 義明
高安 秀樹
浅井 貞吉
相川 太一
西川 洋子
田村 幸三

別宮 葉子

彦根 新吾
檜山 シオン
クリフ・エドガー・フォン・ヴォルフガンフ

2010年8月10日火曜日

螺鈿迷宮

海堂 尊(角川書店、2006/11/30)

イノセントゲリラを読み出したら、どうも途中が抜けている感じがして、「螺鈿迷宮」を先に読むことにした。
内容的には「チーム・バチスタの栄光」からはじまる、白鳥・田口シリーズなのだが、出版社が違うため時系列を見落としていたようだ。

舞台は、これまでにたびたび登場していた碧翠院桜宮病院。
ここに東城大学医学部付属病院で実習を終えた氷姫こと姫宮が潜入している。
この姫宮と絡み、話を可笑しくしているのは、東城大学医学部の学生・天馬大吉、この物語の語り部でもあり、後半明らかにされる重要な存在。
大吉は幼なじみの別宮洋子(現在は時風新報社会部主任補佐)に無理くり依頼され内部調査のためボランティアとして潜入する。
もちろん様々な仕込みは、白鳥調査官の差し金。バチスタの時のような強引さではなく、思慮、優しさなどが目立つ役柄になっている。

最後に巌雄が話す謎解きや、エピローグでの桜宮家の生き残りの書き方など、事実を淡々と解き明かす本シリーズよりもちょっとミステリーっぽい。説明が多いって気はするけど。
これで安心してイノセントゲリラを読める。

主な登場人物
桜宮巌雄
桜宮華緒
桜宮葵
桜宮すみれ
桜宮小百合

結城
立花茜
立花善次(高倉善次)