海堂 尊(宝島社、2006/10/6)
出版社の紹介文から「第4回『このミス』大賞受賞作、25万部突破のベストセラー『チーム・バチスタの栄光』に続くメディカル・エンターテインメント第2弾!
バチスタ・スキャンダルから9ヵ月後、愚痴外来田口&ロジカル・モンスター白鳥コンビが帰ってきた!」ということで、期待して読んだ。
ただ、そうそう同じ病院内で事件性のある設定っていうのも厳しいだろうな、とは思っていたがなんとふつうに殺人事件が起こり、東城大学医学部付属病院の関係者が容疑者。
今回は、白鳥の学生時代の天敵、加納警視正。白銀の迦陵頻伽と呼ばれる伝説の歌手、水落冴子など、外部のキャラクターが増えている。
加えて、何となくいわくがありそうな桜宮病院の話などがちりばめられているが、どうも話が散漫で、テンポも悪く白鳥の切れも悪い。
前作が面白かっただけに残念感が強い。
ちなみに、迦陵頻伽(かりょうびんが)は上半身が人で、下半身が鳥の仏教における想像上の生物とのことだそう。
追記:
気を取り直して「ジェネラル・ルージュの凱旋」を読み始めたが、これはナイチンゲールの沈黙と平行して起きていた、東城大学医学部付属病院でのもう一つの物語。
姫宮も登場し、ちょっと面白くなってきた。
2010年7月18日日曜日
2010年7月10日土曜日
ベガーズ・イン・スペイン(ハヤカワ文庫SF)
ナンシー クレス、翻訳/金子 司ほか(早川書房、2009/3/31)
本書は、早川書房編集部により日本で独自に編集された短編集。
収録作品は、
--
ベガーズ・イン・スペイン(1991年、訳:金子 司)
21世紀初頭、遺伝子改変技術により睡眠を必要としない人類「無眠人」が現れる。
あらゆる点において優れる無眠人は、一般人「有眠人」から妬みを買うことになる。
ヒューゴ賞、ネビュラ賞、アシモフ誌読者賞、SFクロニクル誌読者賞、ローカス賞2位などを受賞した作品。遺伝子操作により眠らない人種「無眠人」が社会に現れることによって起こる社会現象を描いた作品。
眠る犬(1999年、訳:山岸 真)
ベガーズ・イン・スペインの後半の時期のサイドストーリー。
不法に無眠技術を施された犬によって、有眠人キャロル・アンが体験した物語。
戦争と芸術(2007年、訳:金子 司)
地球人とテル人との戦時下。
ポーター大尉は実の母、アンソン将軍からの指令により、テル人が人類から盗み出した大量の人工物(芸術品)の調査に向かう。
宇宙もので親子問題もの。ローカス賞7位。
密告者(1996年、訳:田中 一江)
全員が共有する同じ現実によって絆を深める信じる異星が舞台。
妹を殺害した罪で存在自体を認められない「非実現者」として扱われるユーリ・ペク・ベンガリン。罪から解放されるために「密告者」となって「現実と贖罪省」の指示に従って内定任務をこなす。
最後の任務、といわれた相手は地球人。ある実験と妹の死がつながる。
ネビュラ賞、スタージョン記念賞、アシモフ誌読者賞、ローカス賞8位受賞。
思い出に祈りを(1988年、訳:宮内 とも子)
脳の手術によって延命できるが、記憶はすべて無くなってしまう。
ショートショート。
ケイシーの帝国(1981年、訳:山田 順子)
銀河帝国を失った男、ジェリー・ケイシーの物語。
こういうのをメタSFというのでしょうか。
ダンシング・オン・エア(1993年、訳:田中 一江)
バレエ界を舞台にした、ナノテクSF。
能力強化され5才程度の知力を持つ犬、エンジェルの目線で物語がはじまる。
能力強化が当たり前になりつつあるこの時代、ダンサーも強化によって高い運動能力を発揮していたが、ニューヨーク・シティ・バレエ団はあくまで生身にこだわった。
アシモフ誌読者賞受賞、ヒューゴ賞2位、ローカス賞2位ネビュラ賞候補。
本書は、早川書房編集部により日本で独自に編集された短編集。
収録作品は、
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ベガーズ・イン・スペイン(1991年、訳:金子 司)
21世紀初頭、遺伝子改変技術により睡眠を必要としない人類「無眠人」が現れる。
あらゆる点において優れる無眠人は、一般人「有眠人」から妬みを買うことになる。
ヒューゴ賞、ネビュラ賞、アシモフ誌読者賞、SFクロニクル誌読者賞、ローカス賞2位などを受賞した作品。遺伝子操作により眠らない人種「無眠人」が社会に現れることによって起こる社会現象を描いた作品。
眠る犬(1999年、訳:山岸 真)
ベガーズ・イン・スペインの後半の時期のサイドストーリー。
不法に無眠技術を施された犬によって、有眠人キャロル・アンが体験した物語。
戦争と芸術(2007年、訳:金子 司)
地球人とテル人との戦時下。
ポーター大尉は実の母、アンソン将軍からの指令により、テル人が人類から盗み出した大量の人工物(芸術品)の調査に向かう。
宇宙もので親子問題もの。ローカス賞7位。
密告者(1996年、訳:田中 一江)
全員が共有する同じ現実によって絆を深める信じる異星が舞台。
妹を殺害した罪で存在自体を認められない「非実現者」として扱われるユーリ・ペク・ベンガリン。罪から解放されるために「密告者」となって「現実と贖罪省」の指示に従って内定任務をこなす。
最後の任務、といわれた相手は地球人。ある実験と妹の死がつながる。
ネビュラ賞、スタージョン記念賞、アシモフ誌読者賞、ローカス賞8位受賞。
思い出に祈りを(1988年、訳:宮内 とも子)
脳の手術によって延命できるが、記憶はすべて無くなってしまう。
ショートショート。
ケイシーの帝国(1981年、訳:山田 順子)
銀河帝国を失った男、ジェリー・ケイシーの物語。
こういうのをメタSFというのでしょうか。
ダンシング・オン・エア(1993年、訳:田中 一江)
バレエ界を舞台にした、ナノテクSF。
能力強化され5才程度の知力を持つ犬、エンジェルの目線で物語がはじまる。
能力強化が当たり前になりつつあるこの時代、ダンサーも強化によって高い運動能力を発揮していたが、ニューヨーク・シティ・バレエ団はあくまで生身にこだわった。
アシモフ誌読者賞受賞、ヒューゴ賞2位、ローカス賞2位ネビュラ賞候補。
2010年7月6日火曜日
チーム・バチスタの栄光
海堂 尊(出版社: 宝島社、2006/01)
第4回『このミス』大賞受賞作品。なんだけど、珍しく読むきっかけは医療もののミステリーに興味があって。
しかし、おもしろいこれ。キャラクターもいいし、文章もおもしろい。
ストーリーは、東城大学医学部附属病院の不定愁訴外来医師、田口講師が桐生助教授率いる天才外科チーム「チーム・バチスタ」で起こった連続術中死の原因調査を高階病院長に依頼されるところからはじまる。
高階の依頼で厚生省から派遣された白鳥と共にチームメンバー7名に対して様々な調査が行われるが、それぞれのキャラクターがハッキリしていて文章の緩急も上手いので全く飽きない。
早速、田口・白鳥シリーズが読みたくなっている。楽しみ。
第4回『このミス』大賞受賞作品。なんだけど、珍しく読むきっかけは医療もののミステリーに興味があって。
しかし、おもしろいこれ。キャラクターもいいし、文章もおもしろい。
ストーリーは、東城大学医学部附属病院の不定愁訴外来医師、田口講師が桐生助教授率いる天才外科チーム「チーム・バチスタ」で起こった連続術中死の原因調査を高階病院長に依頼されるところからはじまる。
高階の依頼で厚生省から派遣された白鳥と共にチームメンバー7名に対して様々な調査が行われるが、それぞれのキャラクターがハッキリしていて文章の緩急も上手いので全く飽きない。
早速、田口・白鳥シリーズが読みたくなっている。楽しみ。
2010年6月29日火曜日
ハーモニー(ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
伊藤 計劃(早川書房、2008/12)
2010年度、日本SF大賞を受けたハーモニーを読んだ。
2009年3月にガンで死去した筆者、伊藤計劃の遺作となった。
従って、受賞は作者が死去したあとだった。
「ハーモニー」は、従来の「政府」に代わって「生府」が健康を管理する社会を築く。
どんな思いで執筆していたかなど知る由もないが。
21世紀後半、「大災禍(ザ・メイルストロム)」と呼ばれる世界的な混乱を経て、人類は医療経済を核にした福祉厚生社会を実現していた。「生府」が配布するメディケア「WatchMe」で全身を隈無く監視される時代。そんな中、御冷ミァハの「一緒に死のう、この世界に抵抗するために」をきっかけに、霧慧トァン、零下堂キアンの3人の少女は餓死することを選択するがミァハ以外は生き残った。
と思っていたが。。
文章を、というMarkup Language形式で書いているところが面白い、これは人間以外の知性に対して伝えるための試作なのかも。
2010年度、日本SF大賞を受けたハーモニーを読んだ。
2009年3月にガンで死去した筆者、伊藤計劃の遺作となった。
従って、受賞は作者が死去したあとだった。
「ハーモニー」は、従来の「政府」に代わって「生府」が健康を管理する社会を築く。
どんな思いで執筆していたかなど知る由もないが。
21世紀後半、「大災禍(ザ・メイルストロム)」と呼ばれる世界的な混乱を経て、人類は医療経済を核にした福祉厚生社会を実現していた。「生府」が配布するメディケア「WatchMe」で全身を隈無く監視される時代。そんな中、御冷ミァハの「一緒に死のう、この世界に抵抗するために」をきっかけに、霧慧トァン、零下堂キアンの3人の少女は餓死することを選択するがミァハ以外は生き残った。
と思っていたが。。
文章を、
2010年6月21日月曜日
洋梨形の男
ジョージ・R・R・マーティン、中村 融/訳(奇想コレクション/河出書房新社、2009/9/15)
本書は SF が読みたい! 2010「ベストSF2009」で第3位。
SF 分野の受賞なのに、うたい文句はホラー短編集、というところに興味を持って読みだした。
はっきり言ってこの手の話はかなり好きな部類で久々に最近使っていなかった部分が活性した気がする。
収録作品は、以下の六編。
--
■ モンキー療法
1984年度のローカス賞ノべレット部門受賞作品。
ダイエットをテーマにしたホラー作品。太った男、ケニー・ドーチェスターは、以前会員だった減量クラブで唯一、自分よりも体重のあったヘンリー・骨男・モロニーがガリガリにやせた上、リブステーキを4枚も平らげているところを目撃する。
減量の秘訣を訪ねると「モンキー療法だ」といい住所を教えてくれる。
■ 思い出のメロディ
弁護士デッドのマンションに、学生時代のルームメイト、メロディが訪ねてくる。
これまでにメロディには、様々な厄介ごとを持ち込まれた経緯があるためテッドは警戒するが、案の定、話はこじれメロディに出て行くようにきつく言い部屋を出る。数時間後帰宅すると、シャワールームからシャワーの音が。
最後まで手を抜かない怪談話。
■ 子供たちの肖像
1985年度のネビュラ賞ノべレット部門受賞作品。
小説家のリチャード・キャントリングの元に彼の小説に登場する人物の肖像画が送られてくる。送り主は娘のミッチェル。彼女が描いた絵は、夜になると絵から抜け出しキャントリングに話しかける。
この話は終わり方がビミョーで、夢なのか、超現実なのか、判断に困るところ。
■ 終業時間
バーテンのハンクは、カウンターに座る常連、バーニー・ディルがいつも話す夫婦生活の愚痴をウンザリしながら聞いていた。そこに怒り狂った常連のミルトンが店に現れる。よれよれピートをぶっ殺してやる、と叫びながら。
理由は、鷹に変身できるという触れ込みで売りつけられた護符が、ペテンだったと説明したが。
■ 洋梨形の男
1988年度ブラム・ストーカー賞ノベレット部門受賞作品。
ジェシーが越してきたアパートの地下にすむ洋梨形の男を巡る話。
これも話の終わり方が混沌としていて、判断に困るところ。
■ 成立しないヴァリエーション
ピーターは、学生時代のチェスグループのメンバー、ブルース・バニッシュの誘いを受け家を訪ねる。そこには当時の仲間E.C.とスティーブも呼ばれていた。今では、億万長者となったブルースは学生時代いじめられた復習をしようと考えていた。
タイムトラベルもの、この絶対終わらないブルースの執念はすごい。
本書は SF が読みたい! 2010「ベストSF2009」で第3位。
SF 分野の受賞なのに、うたい文句はホラー短編集、というところに興味を持って読みだした。
はっきり言ってこの手の話はかなり好きな部類で久々に最近使っていなかった部分が活性した気がする。
収録作品は、以下の六編。
--
■ モンキー療法
1984年度のローカス賞ノべレット部門受賞作品。
ダイエットをテーマにしたホラー作品。太った男、ケニー・ドーチェスターは、以前会員だった減量クラブで唯一、自分よりも体重のあったヘンリー・骨男・モロニーがガリガリにやせた上、リブステーキを4枚も平らげているところを目撃する。
減量の秘訣を訪ねると「モンキー療法だ」といい住所を教えてくれる。
■ 思い出のメロディ
弁護士デッドのマンションに、学生時代のルームメイト、メロディが訪ねてくる。
これまでにメロディには、様々な厄介ごとを持ち込まれた経緯があるためテッドは警戒するが、案の定、話はこじれメロディに出て行くようにきつく言い部屋を出る。数時間後帰宅すると、シャワールームからシャワーの音が。
最後まで手を抜かない怪談話。
■ 子供たちの肖像
1985年度のネビュラ賞ノべレット部門受賞作品。
小説家のリチャード・キャントリングの元に彼の小説に登場する人物の肖像画が送られてくる。送り主は娘のミッチェル。彼女が描いた絵は、夜になると絵から抜け出しキャントリングに話しかける。
この話は終わり方がビミョーで、夢なのか、超現実なのか、判断に困るところ。
■ 終業時間
バーテンのハンクは、カウンターに座る常連、バーニー・ディルがいつも話す夫婦生活の愚痴をウンザリしながら聞いていた。そこに怒り狂った常連のミルトンが店に現れる。よれよれピートをぶっ殺してやる、と叫びながら。
理由は、鷹に変身できるという触れ込みで売りつけられた護符が、ペテンだったと説明したが。
■ 洋梨形の男
1988年度ブラム・ストーカー賞ノベレット部門受賞作品。
ジェシーが越してきたアパートの地下にすむ洋梨形の男を巡る話。
これも話の終わり方が混沌としていて、判断に困るところ。
■ 成立しないヴァリエーション
ピーターは、学生時代のチェスグループのメンバー、ブルース・バニッシュの誘いを受け家を訪ねる。そこには当時の仲間E.C.とスティーブも呼ばれていた。今では、億万長者となったブルースは学生時代いじめられた復習をしようと考えていた。
タイムトラベルもの、この絶対終わらないブルースの執念はすごい。
2010年6月18日金曜日
ガリレオの苦悩
東野 圭吾(文藝春秋、2008/10/23)
ガリレオこと湯川が警察への協力を止めてからの物語。新たに内海薫が登場して、何となくテレビシリーズのイメージが持ちやすくなった。女性ということで差別されるのが嫌いな薫に対して、そのことを意識するあまり薫自身がその呪縛に陥っていることを暗に指摘する湯川の観察眼がいい。
「第一章 落下る」
一人住まいの女性がマンションから転落して死亡した。自殺か他殺か?
警視庁捜査一課の刑事・内海 薫は、被害者の恋人が犯人であると直観する。
自殺に見せるためのトリックを暴くため、草薙にたのみ湯川への紹介状をとりつけた薫は湯川のもとへ。
捜査協力を止めた湯川を再び現場へ向かわせる。
「第二章 操縦る」
脳梗塞の後遺症のため車椅子に頼って生活をおくる元大工学部助教授の友永幸正は、実の息子、邦宏と後妻の連れ子、奈美恵と共に複雑な家庭環境で生活している。邦宏とはうまくいって居らず口論が絶えない。
ある日、かつての教え子が彼の自宅に集うことになっていた日、ガラスが割れる音とともに離れが火事になり、邦宏の他殺体が発見される。
招待客の一人であった湯川は、不審に思い事件を調査する。
「第三章 密室る」
湯川の大学時代の友人、藤村が自身が経営するペンションで起きた事件の解明を依頼する。
湯川が当日の状況を詳しく調べるうちに意外な真相を突き止める。
「第四章 指標す」
老婦人が遺体で発見される。留守番中に強盗にあったのだが、仏壇に隠してあった金の地金だけが盗まれる。捜査上には地金の隠し場所を知っていた保険外交員の真瀬貴美子が容疑者として浮かぶが、同時にその娘、葉月の行動を監視していた薫は思わぬ光景を目にする。
書き下ろし作品。
「第五章 撹乱す」
人事異動のため研究部門から外されたことをきっかけに、由美を殺害してしまった高藤英治は、湯川に対する逆恨みから悪意を抱き「悪魔の手」と名乗り警視庁に挑戦状を送る。
英治は、過去に学会発表の際、湯川から質問されたことを根に持っていた。
ガリレオこと湯川が警察への協力を止めてからの物語。新たに内海薫が登場して、何となくテレビシリーズのイメージが持ちやすくなった。女性ということで差別されるのが嫌いな薫に対して、そのことを意識するあまり薫自身がその呪縛に陥っていることを暗に指摘する湯川の観察眼がいい。
「第一章 落下る」
一人住まいの女性がマンションから転落して死亡した。自殺か他殺か?
警視庁捜査一課の刑事・内海 薫は、被害者の恋人が犯人であると直観する。
自殺に見せるためのトリックを暴くため、草薙にたのみ湯川への紹介状をとりつけた薫は湯川のもとへ。
捜査協力を止めた湯川を再び現場へ向かわせる。
「第二章 操縦る」
脳梗塞の後遺症のため車椅子に頼って生活をおくる元大工学部助教授の友永幸正は、実の息子、邦宏と後妻の連れ子、奈美恵と共に複雑な家庭環境で生活している。邦宏とはうまくいって居らず口論が絶えない。
ある日、かつての教え子が彼の自宅に集うことになっていた日、ガラスが割れる音とともに離れが火事になり、邦宏の他殺体が発見される。
招待客の一人であった湯川は、不審に思い事件を調査する。
「第三章 密室る」
湯川の大学時代の友人、藤村が自身が経営するペンションで起きた事件の解明を依頼する。
湯川が当日の状況を詳しく調べるうちに意外な真相を突き止める。
「第四章 指標す」
老婦人が遺体で発見される。留守番中に強盗にあったのだが、仏壇に隠してあった金の地金だけが盗まれる。捜査上には地金の隠し場所を知っていた保険外交員の真瀬貴美子が容疑者として浮かぶが、同時にその娘、葉月の行動を監視していた薫は思わぬ光景を目にする。
書き下ろし作品。
「第五章 撹乱す」
人事異動のため研究部門から外されたことをきっかけに、由美を殺害してしまった高藤英治は、湯川に対する逆恨みから悪意を抱き「悪魔の手」と名乗り警視庁に挑戦状を送る。
英治は、過去に学会発表の際、湯川から質問されたことを根に持っていた。
2010年6月13日日曜日
シーズザデイ
鈴木 光司(新潮社、2001/04/ 1)
本作品は、1999年4月から2000年9月にかけて「小説新潮」に掲載された鈴木光司初の連載小説。
筆者あとがきを読むと、通常は脱稿するまで結末を決めずに行き当たりばったりで執筆するスタイル、だそうだが、今回は連載小説ということもあり「驚くべきことに半分ぐらい書き進んだところで、ラストが見えてきた」とのこと。
確かに半分ぐらいまでは、話がどこにゆくのかわからず登場人物への色づけが行われている感じで、読んでいても気持ちが滅入るエピソードが続く。
特に主人公の船越達哉は、体育会系の船乗りなのだがスポーツマン的なイメージとはかけ離れた印象がある。これも何事にも自信がもてず、優柔不断で自分勝手という印象を抱かせるエピソードのせいだろう。
これが、中盤を過ぎるとはっきり目標に向かって進み出すが、同時に先々の予想もついてしまった。
最初は、謎の金持ちだった岡崎も、物語の後半にゆくに従って様々な導きをもたらすキーへと進化していく。語る内容も興味深くつい今の自身に語られていることのように思えることがあった。
主な登場人物
主人公、船越達哉
達哉のかつての恋人、月子
達哉と月子の娘、陽子
船越のヨットの元オーナー、岡崎
岡崎の娘、稲森裕子
蒸発した船越の父、船越章一郎(水上開地)
章一郎の妻、水上都志子
章一郎と都志子の娘、水上朝代
本作品は、1999年4月から2000年9月にかけて「小説新潮」に掲載された鈴木光司初の連載小説。
筆者あとがきを読むと、通常は脱稿するまで結末を決めずに行き当たりばったりで執筆するスタイル、だそうだが、今回は連載小説ということもあり「驚くべきことに半分ぐらい書き進んだところで、ラストが見えてきた」とのこと。
確かに半分ぐらいまでは、話がどこにゆくのかわからず登場人物への色づけが行われている感じで、読んでいても気持ちが滅入るエピソードが続く。
特に主人公の船越達哉は、体育会系の船乗りなのだがスポーツマン的なイメージとはかけ離れた印象がある。これも何事にも自信がもてず、優柔不断で自分勝手という印象を抱かせるエピソードのせいだろう。
これが、中盤を過ぎるとはっきり目標に向かって進み出すが、同時に先々の予想もついてしまった。
最初は、謎の金持ちだった岡崎も、物語の後半にゆくに従って様々な導きをもたらすキーへと進化していく。語る内容も興味深くつい今の自身に語られていることのように思えることがあった。
主な登場人物
主人公、船越達哉
達哉のかつての恋人、月子
達哉と月子の娘、陽子
船越のヨットの元オーナー、岡崎
岡崎の娘、稲森裕子
蒸発した船越の父、船越章一郎(水上開地)
章一郎の妻、水上都志子
章一郎と都志子の娘、水上朝代
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