ジョージ・R・R・マーティン、中村 融/訳(奇想コレクション/河出書房新社、2009/9/15)
本書は SF が読みたい! 2010「ベストSF2009」で第3位。
SF 分野の受賞なのに、うたい文句はホラー短編集、というところに興味を持って読みだした。
はっきり言ってこの手の話はかなり好きな部類で久々に最近使っていなかった部分が活性した気がする。
収録作品は、以下の六編。
--
■ モンキー療法
1984年度のローカス賞ノべレット部門受賞作品。
ダイエットをテーマにしたホラー作品。太った男、ケニー・ドーチェスターは、以前会員だった減量クラブで唯一、自分よりも体重のあったヘンリー・骨男・モロニーがガリガリにやせた上、リブステーキを4枚も平らげているところを目撃する。
減量の秘訣を訪ねると「モンキー療法だ」といい住所を教えてくれる。
■ 思い出のメロディ
弁護士デッドのマンションに、学生時代のルームメイト、メロディが訪ねてくる。
これまでにメロディには、様々な厄介ごとを持ち込まれた経緯があるためテッドは警戒するが、案の定、話はこじれメロディに出て行くようにきつく言い部屋を出る。数時間後帰宅すると、シャワールームからシャワーの音が。
最後まで手を抜かない怪談話。
■ 子供たちの肖像
1985年度のネビュラ賞ノべレット部門受賞作品。
小説家のリチャード・キャントリングの元に彼の小説に登場する人物の肖像画が送られてくる。送り主は娘のミッチェル。彼女が描いた絵は、夜になると絵から抜け出しキャントリングに話しかける。
この話は終わり方がビミョーで、夢なのか、超現実なのか、判断に困るところ。
■ 終業時間
バーテンのハンクは、カウンターに座る常連、バーニー・ディルがいつも話す夫婦生活の愚痴をウンザリしながら聞いていた。そこに怒り狂った常連のミルトンが店に現れる。よれよれピートをぶっ殺してやる、と叫びながら。
理由は、鷹に変身できるという触れ込みで売りつけられた護符が、ペテンだったと説明したが。
■ 洋梨形の男
1988年度ブラム・ストーカー賞ノベレット部門受賞作品。
ジェシーが越してきたアパートの地下にすむ洋梨形の男を巡る話。
これも話の終わり方が混沌としていて、判断に困るところ。
■ 成立しないヴァリエーション
ピーターは、学生時代のチェスグループのメンバー、ブルース・バニッシュの誘いを受け家を訪ねる。そこには当時の仲間E.C.とスティーブも呼ばれていた。今では、億万長者となったブルースは学生時代いじめられた復習をしようと考えていた。
タイムトラベルもの、この絶対終わらないブルースの執念はすごい。
0 件のコメント:
コメントを投稿