2005年7月16日土曜日

マイナス・ゼロ

広瀬 正(河出書房新社、1977.3.10)

昭和20年5月25日夜の空襲。
中学2年の浜田俊夫は、隣家の「伊沢先生」が倒れているところを発見し助けようとするが「18年後にここに来てほしい」と言い残して命を落とす。
18年後の昭和38年。浜田俊夫は元の隣家に住む「及川」を訪ねるが、そこで出会ったのは。空襲の最中に行方不明になった時のままの伊沢先生の娘・啓子だった。

空襲の夜「伊沢先生」がタイムマシンを使って啓子を18年後に送り込んだことを知った俊夫は、自らタイムマシンに乗り込み、「伊沢先生」が住み始める1年前の昭和9年へ向かう。ところが、着いた時代は昭和7年。
元の時代に戻るつもりがタイムマシンにおいて行かれてしまう。
取り残された浜田俊夫はその時代で生活を始める。

浜田俊夫、伊沢啓子、小田切美子(及川美子)、及川伝蔵が入り乱れて話が進むが、伊沢先生は?

広瀬正の長編第一作作品。
解説によると「宇宙塵」に長期にわたり連載され大変評判になったにも関わらず、出版社が決まらずなかなか単行本化されなかったらしい。
SFというのがまだ受け入れられなかったのだが、単行本化されると直木賞候補にまで挙がった。

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