広瀬 正(集英社文庫、1982/7/25)
集英社文庫の「広瀬正・小説全集・6、タイムマシンのつくり方」には、昭和36年から40年あたりに書かれたSF短編のほとんど(25タイトル)が納められている。
・ザ・タイムマシン
ムテン博士のタイムマシン解説
・Once Upon A Time Machine
親殺しのパラドックスを扱った小説。歴史の自己補修作用を持ち込んで解決。
・化石の街
時間経過が極端に遅い街に迷い込んだ主人公を描いた小説
・計画
戦争にタイムマシンを使用して勝利を収めた国の話し。ムテン博士がタイムマシンに乗り込み実験を行う。過去にさかのぼって一つ石を拾って戻ってみると。バタフライ効果ネタ。
・オン・ザ・ダブル
人間の毎日の生活周期を少しずつ早めていけばそれに比例して体のリズムも早くなるのでは。被験者を一日に五百分の一ずつ時間が早くなる部屋に1年間閉じこめて実験を行なう
・異聞風来山人
平賀源内はタイムマシンを持っていた。
・敵艦見ユ
オハラ航空研究所で完成した航時機T1号の第3回非公式実験で対馬海戦のあった1905年5月27日に遡る。
・二重人格
駅の地下道で人波に押され気を失った佃正博、なぜか猪俣銀二という男の記憶が現れる。多元宇宙SF。
・記憶喪失薬
一時間前からの記憶を消す薬をもったセールスマンがやってくる。
試供品の三分用を試して、購入するがすぐに今の薬はインチキだと老人が現れる。
・あるスキャンダル
ロボットを売っている仕事熱心な山川氏。一日の終わりには四角い固まりになる。
・鷹の子
亭主を亡くし、息子までなくした良家の夫人。そこへ現れた左官屋が「息子さんが亡くなった日時にうちの子供は生まれました」と養育費の援助を申し入れる。
・もの
広瀬正のSF処女作。
下駄を見た未来人達が考える使い方とは。
・鏡
鏡に声を取られてしまった男の話。
・UMAKUITTARAONAGUSAMI
筒井康隆の解説から「フレドリック・ブラウンの影響があきらかにうかがえる時間テーマのSF落語」
・発作
1分後の世界から自分がやってくる。「ゆっくり説明しているひまはない…」
・おうむ
博士の発案した新型の発声装置。テストをすると、ロボットに博士の発音が悪いと指摘される。
・タイム・セッション
タイムマシンで過去のニューヨークにチャーリー・パーカーの演奏を聴きに行くが、ドルを忘れた主人公は。
・人形の家
精巧に出来たドールハウス。よく見ると…。
・星の彼方の空遠く
前人未踏と思われていた遊星に人が住んでいた。探検隊が訪れるとふたりのよく似た男が出迎える。
・タイムマシンはつきるとも
盗んだタイムマシンを使って泥棒に入る。タイムマシンに乗って逃げようとすると…。
・地球のみなさん
先生のうちに毎日色々なものを持ってきては小遣いをもらってい行く少年。この日はエンバンを見たというが…。
・にくまれるやつ
悪いやつには後ろめたい事が多く敵が多い。
・みんなで知ろう
未来から歴史を振り返ってみるというアイデアのSF。
・タイムメール
未来から自分の著作が掲載された雑誌が送られてくる。
・付録「時の門」を開く
ハインラインの「時の門」のアナを捜す解説もの。
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