2009年12月8日火曜日

ジョーカー・ゲーム

柳 広司(角川グループパブリッシング、2008/8/29)

2008年度「このミステリーがすごい!」第2位作品。
ダブル・ジョーカーを読み、面白かったので前作にあたる本書を読んだ。
結城中佐率いる「D機関」の活躍。ダブル・ジョーカーはD機関を外側から見ているのに対して、本書は内側からの視点。

次の短編5編を収録している。
「ジョーカー・ゲーム」
スパイ疑惑のある親日家のアメリカ人・ジョン・ゴードンの自宅を捜索し失敗した陸軍大佐の武藤は、その事実をもみ消すためにD機関に探索を命じる。憲兵隊からD機関へ出向している佐久間陸軍中尉は指揮官として探索に出向く。

「幽霊(ゴースト)」
要人暗殺計画の首謀者と疑われているイギリス総領事のアーネスト・グラハム。
チェス相手、テーラー寺島の店員としてすっかり潜入している蒲生次郎の活躍。

「ロビンソン」
ロンドンで伯父から引き継いだ「前田倫敦寫眞館」の店主、伊沢和男の話。
ある日、伊沢は帰宅すると英国諜報機関にスパイ容疑で逮捕される。

「魔都」
上海憲兵隊に配属となった元特高刑事の陸軍軍曹、本間英司。
上官の及川政幸大尉から内通者を探る命を受けるがその最中に激しい爆発が起こる。爆発現場となった及川大尉の自宅を調査中、本間軍曹は特高時代に逮捕した記者に再会する。
その記者からD機関の存在と事件現場にD機関の人間がいたという話を聞かされる。

「XX(ダブルクロス)」
ドイツとソ連の二重スパイの疑いをかけられてD機関の飛崎弘行が調査していたドイツ人記者カール・シュナイダーが死体で発見される。

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