池波 正太郎(新潮文庫)
シリーズ3作目
旅程「不二楼」の料理人・長次と座敷女中・おもとが独立、小料理屋「元長」をだした。
収録7話の登場人物
「東海道・見付宿」
浅草、橋場の料亭「不二楼」に仮寓している小兵衛を訪れた大治郎。
修業時代に世話になった浅田忠蔵から助勢をたのむ手紙が届いたことを相談する。
手紙を届けたのは三河の御油の宿場の旅籠えびすやに宿泊した小間物屋の平吉。
「赤い富士」
不二楼・亭主の与兵衛。はめられて大井半十郎に二百両を強請り取られようとしていた。
「陽炎の男」
田沼邸から戻り、風呂に入っている三冬がおそわれる。
小兵衛に相談を持ちかけるが「この相談はおまえさんがのってあげなさい」といわれた大治郎が代わりにがやってくる。
調べていくと以前ここに住んでいた井村松軒が浮かび上がってくる。
大治郎と三冬が急速に近しくなっていく。
「嘘の皮」
不二楼の調理人・長次とおもとが夫婦になり浅草駒形町に小料理屋を出した。
店の名前は、小兵衛が名付けた「元長」。
小兵衛が書いた書を元に看板でき、店先にかけていると浅草福井町に住む香具師の元締め、鎌屋辰蔵の子分に襲われている侍を助ける。
侍は、松村伊織。小兵衛の門人、松村左馬之助の養子だった。
「兎と熊」
相談事があるらしい小川宗哲。聞けば愛弟子の村岡道歩の娘がさらわれたらしい。
同じ頃「熊の子」というあだ名の内田久太郎が、花房筑後守秀方の家来になれたことを報告に小兵衛を訪ねてくる。この二つのエピソードが一つになっていく。
「婚礼の夜」
傘屋の徳次郎が博打場で探索中、偶然、浪人ものが二人が話題にしている何者かが、大治郎の道場に行った、と話しているを盗み聞いた。翌日、大治郎に確認す ると訪ねてきたのは旧友、浅岡鉄之助。浅岡は、湯島の金子孫十郎道場の食客、金子の世話で、門人・西山団右衛門の娘・千代乃との婚礼を控えている。浅岡を つけ狙う平山一蔵、旧友のために大治郎が動く。
「深川十万坪」
梅雨の晴れ間に深川八幡まで出た小兵衛とおはる。うなぎやの又六とであったところで、橋の上の人だかりを見ると、男の子と婆さんを侍が取り囲んでいる。
婆さんの名は、三好町、大島屋という升酒屋の金時婆さん。
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