2005年1月8日土曜日

剣客商売「剣客商売」

池波 正太郎(新潮文庫)

江戸中期を舞台に剣客父子の縦横の活躍を描く、吉川英治文学賞受賞のシリーズ第一作。どうも寒くなると池波正太郎が読みたくなる。この冬は、剣客商売シリーズを読もっと。

剣術ひとすじに生きてきた秋山小兵衛。
隠居してのんびり暮らすといううらやましい生活。しかし、悪事は許さず解決してゆくという話。
息子の大治郎、女武芸者の坂本三冬、ご用聞きの弥七など登場人物も魅力的。

収録7編の登場人物
「女武芸者」
秋山大二郎の道場現れた侍、大垣四郎兵衛。「相手が誰かは言えぬが五十両で人を斬ってほしい」と訪れるが大治郎は断る。相手は、田沼意次の娘、佐々木三冬だった。
ご用聞き・四谷の弥七、牛堀久万之助なども登場。
「剣の誓約」
秋山大二郎の道場に現れた老剣士・嶋岡礼蔵。約定によって真剣勝負を行う為にやってきた嶋岡礼蔵は大治郎に「死に水をとってもらわねば」といった。嶋岡礼蔵の師は、小兵衛と同じ辻平右衛門。相手は柿本源七郎。
しかし、心臓を患っている源七郎をかばう門人伊藤三弥の射た弓に礼蔵は息を引き取る。
「芸者変転」
小兵衛は、不二楼の座敷女中おもとから、石川甲斐守を強請る算段をしている、山田勘介の話を聞かされる。
「井関道場・四天王」
井関道場の跡目争いに巻き込まれた三冬は、小兵衛に相談するよう田沼意次にいわれる。
後藤九兵衛、渋谷寅三郎、小沢主計に三冬の四天王。
「雨の鈴鹿川」
嶋岡礼蔵の遺髪をたずさえ、大和の国、磯城郡、芝村に住む礼蔵の兄、嶋岡八郎宇右衛門を訪ねた帰り、修業時代の知人・井上八郎と出会う。聞けば、返り討ちの助太刀をするという。
「まゆ墨の金ちゃん」
牛堀久万之助の道場に、門人・三浦金太郎が訪ねてくる。大治郎の命を狙っているものがいるらしいと。息子・大治郎の身辺が気になってしかたない小兵衛。
「御老中毒殺」
田沼意次の御膳番をしている、飯田平助がスリに遭うところを偶然目撃した、三冬。跡をつけスリから紙入れを取り戻し中をあらためると、大金十両と油紙に包まれた薬が。
相談を受けた小兵衛は、本所、亀沢町の町医者・小川宗哲を訪ね薬の鑑定をたのむ。

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