池波 正太郎(新潮社)
大治郎と三冬も一緒になり、登場人物も揃ってきて、物語が少し変わってきたよう。
タイトルにもなっている「狂乱」をはじめ、もの悲しいようなストーリーがおおい。
収録6編の登場人物
「毒婦」
元長を訪れた小兵衛とおはる、以前不二楼にいた座敷女中の亭主、大工の由次郎が暴れている。聞けば、女房のおきよをかこまっているという。
「狐雨」
無外流の剣客、杉本又左衛門の長男、杉本又太郎。ある日突然強くなった裏には狐の存在が。
「狂乱」
牛堀久万之助道場で出会った、本多丹波守の家人、石川甚市。狂犬ではないかと疑っていた石川の寂しげな後ろ姿を見て声をかける小兵衛。しかし、ズレ始めたかみ合わせは戻らない。
「仁三郎の顔」
傘屋の徳次郎の元へ岩戸のの繁蔵が持ってきた情報、黒羽の仁三郎が江戸にもっどた。
仁三郎は兄を売った元弥七の子分、佐平を殺すために。
「女と男」
小兵衛の道場に通っていたことがある高瀬照太郎をふとしたことで隠宅に連れ帰る。
高瀬は腹を切った上に心臓も弱り2〜3日の命。
小兵衛は女関係でボロボロになった高瀬の死に水をとる。
「秋の炬燵」
手裏剣の名手、杉原秀が小兵衛の隠宅に向かっていると、十間川に沿った道で文太郎という子供を助けて連れ帰る。白金の徳蔵が百両で引き受けていた。
2005年1月21日金曜日
剣客商売「隠れ蓑」
池波 正太郎(新潮社)
剣客商売シリーズ第7作
大治郎・三冬関連のエピソードが一段落し、小兵衛の因縁話が多い。
収録7話の登場人物
「春惣」小兵衛を訪ねてきた刀屋の嶋屋孫助が後藤角之助を見かけたと伝えた。十二年前に殺害された小兵衛の門人、笠井駒太郎を斬った男だ。
「徳どん、逃げろ」松平備前守・下屋敷の中間部屋で博打を打っていた傘徳に一緒に小兵衛宅に盗みに入ろうという八郎吾。
「隠れ蓑」入谷田圃の道ばたで斬られそうになっている老僧を助けた大治郎。
一昨年の春に見かけた老僧だった。老僧・佐藤弥五郎は敵を捜す浪人と旅を続けていた。
「梅雨の由の花」大治郎道場の二人目の門人、笹野新五郎。
「大江戸ゆばり組」本多河内守用人、富山治五郎が妾を囲う話。
妾の上の隣は、本多河内守の兄、川野玉栄が住んでいた。
「越後屋騒ぎ」小兵衛が助けた子供は、蝋燭問屋・越後屋半兵衛の孫だった。
ご用聞き、湯島の長兵衛の悪事を暴く。
「決闘・高田の馬場」高木筑後守と久世帯刀の剣術自慢から、小兵衛の愛弟子・吉村弥惣治が羽賀儀平と試合をすることに。
剣客商売シリーズ第7作
大治郎・三冬関連のエピソードが一段落し、小兵衛の因縁話が多い。
収録7話の登場人物
「春惣」小兵衛を訪ねてきた刀屋の嶋屋孫助が後藤角之助を見かけたと伝えた。十二年前に殺害された小兵衛の門人、笠井駒太郎を斬った男だ。
「徳どん、逃げろ」松平備前守・下屋敷の中間部屋で博打を打っていた傘徳に一緒に小兵衛宅に盗みに入ろうという八郎吾。
「隠れ蓑」入谷田圃の道ばたで斬られそうになっている老僧を助けた大治郎。
一昨年の春に見かけた老僧だった。老僧・佐藤弥五郎は敵を捜す浪人と旅を続けていた。
「梅雨の由の花」大治郎道場の二人目の門人、笹野新五郎。
「大江戸ゆばり組」本多河内守用人、富山治五郎が妾を囲う話。
妾の上の隣は、本多河内守の兄、川野玉栄が住んでいた。
「越後屋騒ぎ」小兵衛が助けた子供は、蝋燭問屋・越後屋半兵衛の孫だった。
ご用聞き、湯島の長兵衛の悪事を暴く。
「決闘・高田の馬場」高木筑後守と久世帯刀の剣術自慢から、小兵衛の愛弟子・吉村弥惣治が羽賀儀平と試合をすることに。
2005年1月19日水曜日
剣客商売「新妻」
池波 正太郎(新潮社)
剣客商売シリーズ第6作
大治郎と三冬やっと夫婦に。
収録7話の登場人物
「鷲鼻の武士」牛堀久万之助に紹介された将棋好きの渡部甚之助、黒田治兵衛道場での出来事。
「品川お匙屋敷」抜け荷の一味と関わり合い、幕府奥御医師、山路寿仙の屋敷の地下に囚われた三冬を救出する大治郎。晴れて夫婦に。
「川越中納言」小兵衛が付けたあだ名川越中納言こと小野半三郎。
「新妻」大阪天満の柳嘉右衛門の訃報を受け、大阪に向かった大治郎。江戸に戻る道中、東海道御油の宿場で、同姓同名の侍と間違われる。
「金貸し幸右衛門」元長で見かける老人、浅野幸右衛門。一人娘のお順をかどわかされたときに一緒にいた女中を浅草で見かけ、ひとり行方を捜している。小兵衛が手助けして事件は解明はされるが、幸右衛門は家と財産千五百両を小兵衛に残し自害する。
「いのちの畳針」小兵衛の愛弟子、植村友之助。知的障害者の為七が若侍に斬られそうになっているところに通りかかり、持っていた畳針を投げつけ助ける。友之助が幸右衛門からもらった家に住むことに。
「道場破り」稲荷の先生と呼ばれる、鷲巣見平助。金が必要となり道場破りに出かけた先が、辻平右衛門に無外流を学んだ、間宮孫七郎。たまたま居合わせた大治郎が相手をする。
剣客商売シリーズ第6作
大治郎と三冬やっと夫婦に。
収録7話の登場人物
「鷲鼻の武士」牛堀久万之助に紹介された将棋好きの渡部甚之助、黒田治兵衛道場での出来事。
「品川お匙屋敷」抜け荷の一味と関わり合い、幕府奥御医師、山路寿仙の屋敷の地下に囚われた三冬を救出する大治郎。晴れて夫婦に。
「川越中納言」小兵衛が付けたあだ名川越中納言こと小野半三郎。
「新妻」大阪天満の柳嘉右衛門の訃報を受け、大阪に向かった大治郎。江戸に戻る道中、東海道御油の宿場で、同姓同名の侍と間違われる。
「金貸し幸右衛門」元長で見かける老人、浅野幸右衛門。一人娘のお順をかどわかされたときに一緒にいた女中を浅草で見かけ、ひとり行方を捜している。小兵衛が手助けして事件は解明はされるが、幸右衛門は家と財産千五百両を小兵衛に残し自害する。
「いのちの畳針」小兵衛の愛弟子、植村友之助。知的障害者の為七が若侍に斬られそうになっているところに通りかかり、持っていた畳針を投げつけ助ける。友之助が幸右衛門からもらった家に住むことに。
「道場破り」稲荷の先生と呼ばれる、鷲巣見平助。金が必要となり道場破りに出かけた先が、辻平右衛門に無外流を学んだ、間宮孫七郎。たまたま居合わせた大治郎が相手をする。
2005年1月18日火曜日
剣客商売「白い鬼」
2005年1月16日日曜日
2005年1月15日土曜日
色のない島へ—脳神経科医のミクロネシア探訪記
オリヴァー サックス(著)、大庭 紀雄(翻訳)、春日井 晶子(翻訳)(早川書房)
脳神経科医オリヴァー サックスがミクロネシアの島々を訪れる。
第1部 色のない島へ(島めぐり便ピンゲラップ島ポーンペイ島)
第2部 ソテツの島へ(グアム島ロタ島)
の2部構成。
第1部では、先天性全色盲が多いピンゲラップ島、ポーンペイ島へ。
第2部では、パーキンソン病と筋萎縮性側索硬化症に似た原因不明の病気が報告されているグアム島とロタ島へ。
いずれも「島」という閉じた環境ゆえの特異な風土病。
病気になった家族に対する思いやりとか社会とか家族のあり方を考えさせられる。
「火星の人類学者」を読んで感じた「マイノリティってなに?」を改めて思う。
脳神経科医オリヴァー サックスがミクロネシアの島々を訪れる。
第1部 色のない島へ(島めぐり便ピンゲラップ島ポーンペイ島)
第2部 ソテツの島へ(グアム島ロタ島)
の2部構成。
第1部では、先天性全色盲が多いピンゲラップ島、ポーンペイ島へ。
第2部では、パーキンソン病と筋萎縮性側索硬化症に似た原因不明の病気が報告されているグアム島とロタ島へ。
いずれも「島」という閉じた環境ゆえの特異な風土病。
病気になった家族に対する思いやりとか社会とか家族のあり方を考えさせられる。
「火星の人類学者」を読んで感じた「マイノリティってなに?」を改めて思う。
2005年1月13日木曜日
剣客商売「陽炎の男」
池波 正太郎(新潮文庫)
シリーズ3作目
旅程「不二楼」の料理人・長次と座敷女中・おもとが独立、小料理屋「元長」をだした。
収録7話の登場人物
「東海道・見付宿」
浅草、橋場の料亭「不二楼」に仮寓している小兵衛を訪れた大治郎。
修業時代に世話になった浅田忠蔵から助勢をたのむ手紙が届いたことを相談する。
手紙を届けたのは三河の御油の宿場の旅籠えびすやに宿泊した小間物屋の平吉。
「赤い富士」
不二楼・亭主の与兵衛。はめられて大井半十郎に二百両を強請り取られようとしていた。
「陽炎の男」
田沼邸から戻り、風呂に入っている三冬がおそわれる。
小兵衛に相談を持ちかけるが「この相談はおまえさんがのってあげなさい」といわれた大治郎が代わりにがやってくる。
調べていくと以前ここに住んでいた井村松軒が浮かび上がってくる。
大治郎と三冬が急速に近しくなっていく。
「嘘の皮」
不二楼の調理人・長次とおもとが夫婦になり浅草駒形町に小料理屋を出した。
店の名前は、小兵衛が名付けた「元長」。
小兵衛が書いた書を元に看板でき、店先にかけていると浅草福井町に住む香具師の元締め、鎌屋辰蔵の子分に襲われている侍を助ける。
侍は、松村伊織。小兵衛の門人、松村左馬之助の養子だった。
「兎と熊」
相談事があるらしい小川宗哲。聞けば愛弟子の村岡道歩の娘がさらわれたらしい。
同じ頃「熊の子」というあだ名の内田久太郎が、花房筑後守秀方の家来になれたことを報告に小兵衛を訪ねてくる。この二つのエピソードが一つになっていく。
「婚礼の夜」
傘屋の徳次郎が博打場で探索中、偶然、浪人ものが二人が話題にしている何者かが、大治郎の道場に行った、と話しているを盗み聞いた。翌日、大治郎に確認す ると訪ねてきたのは旧友、浅岡鉄之助。浅岡は、湯島の金子孫十郎道場の食客、金子の世話で、門人・西山団右衛門の娘・千代乃との婚礼を控えている。浅岡を つけ狙う平山一蔵、旧友のために大治郎が動く。
「深川十万坪」
梅雨の晴れ間に深川八幡まで出た小兵衛とおはる。うなぎやの又六とであったところで、橋の上の人だかりを見ると、男の子と婆さんを侍が取り囲んでいる。
婆さんの名は、三好町、大島屋という升酒屋の金時婆さん。
シリーズ3作目
旅程「不二楼」の料理人・長次と座敷女中・おもとが独立、小料理屋「元長」をだした。
収録7話の登場人物
「東海道・見付宿」
浅草、橋場の料亭「不二楼」に仮寓している小兵衛を訪れた大治郎。
修業時代に世話になった浅田忠蔵から助勢をたのむ手紙が届いたことを相談する。
手紙を届けたのは三河の御油の宿場の旅籠えびすやに宿泊した小間物屋の平吉。
「赤い富士」
不二楼・亭主の与兵衛。はめられて大井半十郎に二百両を強請り取られようとしていた。
「陽炎の男」
田沼邸から戻り、風呂に入っている三冬がおそわれる。
小兵衛に相談を持ちかけるが「この相談はおまえさんがのってあげなさい」といわれた大治郎が代わりにがやってくる。
調べていくと以前ここに住んでいた井村松軒が浮かび上がってくる。
大治郎と三冬が急速に近しくなっていく。
「嘘の皮」
不二楼の調理人・長次とおもとが夫婦になり浅草駒形町に小料理屋を出した。
店の名前は、小兵衛が名付けた「元長」。
小兵衛が書いた書を元に看板でき、店先にかけていると浅草福井町に住む香具師の元締め、鎌屋辰蔵の子分に襲われている侍を助ける。
侍は、松村伊織。小兵衛の門人、松村左馬之助の養子だった。
「兎と熊」
相談事があるらしい小川宗哲。聞けば愛弟子の村岡道歩の娘がさらわれたらしい。
同じ頃「熊の子」というあだ名の内田久太郎が、花房筑後守秀方の家来になれたことを報告に小兵衛を訪ねてくる。この二つのエピソードが一つになっていく。
「婚礼の夜」
傘屋の徳次郎が博打場で探索中、偶然、浪人ものが二人が話題にしている何者かが、大治郎の道場に行った、と話しているを盗み聞いた。翌日、大治郎に確認す ると訪ねてきたのは旧友、浅岡鉄之助。浅岡は、湯島の金子孫十郎道場の食客、金子の世話で、門人・西山団右衛門の娘・千代乃との婚礼を控えている。浅岡を つけ狙う平山一蔵、旧友のために大治郎が動く。
「深川十万坪」
梅雨の晴れ間に深川八幡まで出た小兵衛とおはる。うなぎやの又六とであったところで、橋の上の人だかりを見ると、男の子と婆さんを侍が取り囲んでいる。
婆さんの名は、三好町、大島屋という升酒屋の金時婆さん。
2005年1月12日水曜日
剣客商売「辻斬り」
池波 正太郎(新潮文庫)
シリーズ2作目。
居酒屋「鬼熊」、鰻屋の又六、登場。
収録7編の登場人物
「鬼熊酒屋」
客を客とも思わずあしらい、土地の無頼漢も恐れている「鬼熊」の亭主・熊五郎の姿を小兵衛は意外なところで見た。そして、その様子には弱々しいところがあり、そのただならぬ様子をそっと隠れて見守っていた。
「辻斬り」
夜道を歩いていた秋山小兵衛を突然に襲ってきた者がいる。小兵衛が調べたところ曲者が入っていった屋敷は、御目付衆の永井十太夫の屋敷だった。
「老虎」
秋山大治郎が大川橋の橋を渡っていると以前諸国を歩いている時に稽古を付けてもらった山本孫介と出会う。息・源太郎が戻ってこないのを心配して江戸に出てきたというのである。
「悪い虫」
秋山大治郎が鰻の辻売りをしている又六に剣を教える。
「三冬の乳房」
佐々木三冬が伯父の和泉弥吉右衛門を訪ねるため根岸の寮に行くと、見るからに怪しい者どもが駕籠を運んでいこうとするところに出くわす。駕籠には女が猿轡をかまされ目かくしをして押し込められていた。この女は山崎屋卯兵衛の娘・お雪であった。
「妖怪・小雨坊」
小兵衛と大治郎のところに、妖怪・小雨坊の様な男が現れた頃、嶋岡礼蔵を卑怯な方法で襲った伊藤三弥が江戸に戻ってきているらしいとの情報がもたらされた。
「不二楼・蘭の間 」
家を焼かれた小兵衛が不二楼に身を寄せている時、人が来る気配があったので隠れていると、橫川鉄五郎という金貸しの御家人を襲うという話を聞いてしまう。
シリーズ2作目。
居酒屋「鬼熊」、鰻屋の又六、登場。
収録7編の登場人物
「鬼熊酒屋」
客を客とも思わずあしらい、土地の無頼漢も恐れている「鬼熊」の亭主・熊五郎の姿を小兵衛は意外なところで見た。そして、その様子には弱々しいところがあり、そのただならぬ様子をそっと隠れて見守っていた。
「辻斬り」
夜道を歩いていた秋山小兵衛を突然に襲ってきた者がいる。小兵衛が調べたところ曲者が入っていった屋敷は、御目付衆の永井十太夫の屋敷だった。
「老虎」
秋山大治郎が大川橋の橋を渡っていると以前諸国を歩いている時に稽古を付けてもらった山本孫介と出会う。息・源太郎が戻ってこないのを心配して江戸に出てきたというのである。
「悪い虫」
秋山大治郎が鰻の辻売りをしている又六に剣を教える。
「三冬の乳房」
佐々木三冬が伯父の和泉弥吉右衛門を訪ねるため根岸の寮に行くと、見るからに怪しい者どもが駕籠を運んでいこうとするところに出くわす。駕籠には女が猿轡をかまされ目かくしをして押し込められていた。この女は山崎屋卯兵衛の娘・お雪であった。
「妖怪・小雨坊」
小兵衛と大治郎のところに、妖怪・小雨坊の様な男が現れた頃、嶋岡礼蔵を卑怯な方法で襲った伊藤三弥が江戸に戻ってきているらしいとの情報がもたらされた。
「不二楼・蘭の間 」
家を焼かれた小兵衛が不二楼に身を寄せている時、人が来る気配があったので隠れていると、橫川鉄五郎という金貸しの御家人を襲うという話を聞いてしまう。
2005年1月8日土曜日
剣客商売「剣客商売」
池波 正太郎(新潮文庫)
江戸中期を舞台に剣客父子の縦横の活躍を描く、吉川英治文学賞受賞のシリーズ第一作。どうも寒くなると池波正太郎が読みたくなる。この冬は、剣客商売シリーズを読もっと。
剣術ひとすじに生きてきた秋山小兵衛。
隠居してのんびり暮らすといううらやましい生活。しかし、悪事は許さず解決してゆくという話。
息子の大治郎、女武芸者の坂本三冬、ご用聞きの弥七など登場人物も魅力的。
収録7編の登場人物
「女武芸者」
秋山大二郎の道場現れた侍、大垣四郎兵衛。「相手が誰かは言えぬが五十両で人を斬ってほしい」と訪れるが大治郎は断る。相手は、田沼意次の娘、佐々木三冬だった。
ご用聞き・四谷の弥七、牛堀久万之助なども登場。
「剣の誓約」
秋山大二郎の道場に現れた老剣士・嶋岡礼蔵。約定によって真剣勝負を行う為にやってきた嶋岡礼蔵は大治郎に「死に水をとってもらわねば」といった。嶋岡礼蔵の師は、小兵衛と同じ辻平右衛門。相手は柿本源七郎。
しかし、心臓を患っている源七郎をかばう門人伊藤三弥の射た弓に礼蔵は息を引き取る。
「芸者変転」
小兵衛は、不二楼の座敷女中おもとから、石川甲斐守を強請る算段をしている、山田勘介の話を聞かされる。
「井関道場・四天王」
井関道場の跡目争いに巻き込まれた三冬は、小兵衛に相談するよう田沼意次にいわれる。
後藤九兵衛、渋谷寅三郎、小沢主計に三冬の四天王。
「雨の鈴鹿川」
嶋岡礼蔵の遺髪をたずさえ、大和の国、磯城郡、芝村に住む礼蔵の兄、嶋岡八郎宇右衛門を訪ねた帰り、修業時代の知人・井上八郎と出会う。聞けば、返り討ちの助太刀をするという。
「まゆ墨の金ちゃん」
牛堀久万之助の道場に、門人・三浦金太郎が訪ねてくる。大治郎の命を狙っているものがいるらしいと。息子・大治郎の身辺が気になってしかたない小兵衛。
「御老中毒殺」
田沼意次の御膳番をしている、飯田平助がスリに遭うところを偶然目撃した、三冬。跡をつけスリから紙入れを取り戻し中をあらためると、大金十両と油紙に包まれた薬が。
相談を受けた小兵衛は、本所、亀沢町の町医者・小川宗哲を訪ね薬の鑑定をたのむ。
江戸中期を舞台に剣客父子の縦横の活躍を描く、吉川英治文学賞受賞のシリーズ第一作。どうも寒くなると池波正太郎が読みたくなる。この冬は、剣客商売シリーズを読もっと。
剣術ひとすじに生きてきた秋山小兵衛。
隠居してのんびり暮らすといううらやましい生活。しかし、悪事は許さず解決してゆくという話。
息子の大治郎、女武芸者の坂本三冬、ご用聞きの弥七など登場人物も魅力的。
収録7編の登場人物
「女武芸者」
秋山大二郎の道場現れた侍、大垣四郎兵衛。「相手が誰かは言えぬが五十両で人を斬ってほしい」と訪れるが大治郎は断る。相手は、田沼意次の娘、佐々木三冬だった。
ご用聞き・四谷の弥七、牛堀久万之助なども登場。
「剣の誓約」
秋山大二郎の道場に現れた老剣士・嶋岡礼蔵。約定によって真剣勝負を行う為にやってきた嶋岡礼蔵は大治郎に「死に水をとってもらわねば」といった。嶋岡礼蔵の師は、小兵衛と同じ辻平右衛門。相手は柿本源七郎。
しかし、心臓を患っている源七郎をかばう門人伊藤三弥の射た弓に礼蔵は息を引き取る。
「芸者変転」
小兵衛は、不二楼の座敷女中おもとから、石川甲斐守を強請る算段をしている、山田勘介の話を聞かされる。
「井関道場・四天王」
井関道場の跡目争いに巻き込まれた三冬は、小兵衛に相談するよう田沼意次にいわれる。
後藤九兵衛、渋谷寅三郎、小沢主計に三冬の四天王。
「雨の鈴鹿川」
嶋岡礼蔵の遺髪をたずさえ、大和の国、磯城郡、芝村に住む礼蔵の兄、嶋岡八郎宇右衛門を訪ねた帰り、修業時代の知人・井上八郎と出会う。聞けば、返り討ちの助太刀をするという。
「まゆ墨の金ちゃん」
牛堀久万之助の道場に、門人・三浦金太郎が訪ねてくる。大治郎の命を狙っているものがいるらしいと。息子・大治郎の身辺が気になってしかたない小兵衛。
「御老中毒殺」
田沼意次の御膳番をしている、飯田平助がスリに遭うところを偶然目撃した、三冬。跡をつけスリから紙入れを取り戻し中をあらためると、大金十両と油紙に包まれた薬が。
相談を受けた小兵衛は、本所、亀沢町の町医者・小川宗哲を訪ね薬の鑑定をたのむ。
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