広瀬 正(集英社文庫)
もしもあのとき何々だったら、というテーマで書かれた時間ものSF。
歌手生活37周年記念リサイタルをひかえた大女性歌手、橘百合子と電波探知機を発明した片桐慎一博士の<現在>と37年前の<過去>。
もしかしたらあったかもしれない<もう一つの過去>と交互に物語が進む。
昔、ハインラインの「時の門」の解説書「時の門を開く」を読んだのが切っ掛けで広瀬正を読み始めた。
なぜかエロスについてはあまり印象に残ってなかったが、単純にSFと言うよりは時代小説のようなところが、自分にとってはあまり引っかからなかったのか、と感じた。
なにせ当時コテコテのSFに興味があったので、昭和10年代の東京の様子を詳細に描かれても読み飛ばしたんだろうなぁ。
しかし、今回読み直してみたら詳細な「時代のディテール」がこの作品のポイントなんだと今頃思う。
ちっとは本読んでいる成果が出てきたのかな。
エロスというタイトルの設定は音楽畑の著者らしい。
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