古川 日出男(双葉社、2004/08)
主人公フルカワヒデオが現存するカルチャーについて徹底的に思索し、言及することにより現代の「東京」と対話する作品。ノンフィクションの境界を破る、まったく新しいタイプの小説。(双葉社のサイトから)
たまたま主人公が「フルカワヒデオ」なので小説家「古川 日出男」をイメージしながら読んでしまうが、果たしてその時点で本書の術中にはまってしまっているのかもしれない。
冒頭、自殺してカラダからトンズラこいた「精神」を増悪する「肉体・カラダ」の僕の視点で始まる。
自分自身のカラダと精神を様々な状況に入れたり出したりしているような試行的な「ことば」で綴られている。
「偶然に意味を見てしまうタイプは見てしまうの。あ・ぶ・な・い・の。」という郡司珠子のことば通り、あえて危ない方を選ぶフルカワヒデオが気持ちいい。
0 件のコメント:
コメントを投稿