神山 裕右(講談社、2004/8/7)
本作品は、第50回江戸川乱歩賞受賞作。
「ケイビング(洞窟探検)」をテーマにしたミステリー。
主人公の東馬亮は、5年前、舞台となっているマイコミ平の地底湖ダイビング中に命を落としかけたが水無月健一郎の命と引き替えに救われる。しかし健一郎の遺体はおろか遺留品も発見されぬまま探索が打ち切られる。
いつか必ずマイコミ平の地底湖に戻って探索すると決めていたところに、マイコミ平に新たに発見された鍾乳洞の探検クルー募集を聞きつけ参加する。
現地に遅れて到着した東馬は、天候悪化が悪化したため先行したクルーが事故にあったことを知る。その中に命の恩人水無月の娘、弥生の名前を見つけ一人救助に向う。
過去に起こった事件を紐解く形でストーリーが進むが、登場人物の輪郭がやや弱く、あまり気持ちが入らない。そのためか、危機的な状況の緊迫感より、妙に話がうまく進む、という印象があった。
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