林 譲治(ハヤカワ文庫JA)
2040年、ワーコンと呼ばれるウエアブルコンピュータにより個人認証が当たり前となった社会。奈良で遺跡発掘作業を行う弱小土建会社社長の北畑は、弥生時代の遺跡から謎の文字板を発見する。一方、痴呆症研究に従事する認知心理学者・秋山霧子は、人工知能の奇妙な挙動に困惑していた。
ネットワーク上に、学習機能があるコンピュータを置いておくとコンピュータ自らが必要な情報を集め擬似的に世界を構築してしまうというストーリーは、「人と記憶」ということに興味がある自分としては興味深い。
実際に体に機器を装着して感覚神経までコンピュータの影響下に置くことで現実と仮想の境界が無くなってしまうような気がする。そのときの自己の存在というのは何を意味するのか。
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