2010年9月26日日曜日

偽物語(下)(講談社BOX)

西尾 維新、VOFAN/イラスト(講談社、2009/6/11)

「化物語」の次の話の後編。最終話 つきひフェニックスを収録。
暦の妹、月火を巡るエピソード。
ここでは、影縫 余弦(かげぬい よづる)、斧乃木 余接(おののき よつぎ)の暴力陰陽師と式神コンビが登場する。

不死身の怪異を専門としている、と知った暦は、自分が狙われていると思うが、これは月火のエピソードなのよね。

妹想いの暦は忍とともに激しい戦いを繰り広げる。(忍はそうでもなかったみたいだけど)
また、ここでも貝木 泥舟(かいき でいしゅう)が絡み、忍野との関係も明らかになる。

最終話となっているが、この後も続くことになったとあとがきで書いている。

2010年9月19日日曜日

偽物語(上)(講談社BOX)

西尾 維新、VOFAN/イラスト(講談社、2008/9/2)

「化物語」の次の話。第六話 かれんビーを収録。今までストーリーには絡まなかった暦の妹の物語。
上巻は上の妹、中三の火憐を巡るエピソード。
このエピソードで悪役として登場する貝木泥舟がこの後もいろいろ関わってくる。
絵に描いたような「悪い奴」だが、この辺の使い方がうまいなぁ。

しかし、この兄弟喧嘩で普通に生きていられる事が既に常軌を逸している。ということがスルーされているな。

2010年9月18日土曜日

傷物語(講談社BOX)

西尾 維新、VOFAN/イラスト(講談社、2008/5/8)

アニメ「化物語」を観たとき、オープニングバックで流れていた映像が気になっていた。
後でこのアニメの前日譚があることを知り、読むことに。
これを読んでやっといろいろ話がつながった。特に、羽川と忍(この頃はまだキスショットだけど)については、これを読まないとちっとも解らない。
で、気になっていたオープニングバックの映像は、見事に傷物語の映像だった事もわかり満足。

忍野が言う「みんなが不幸になる方法ならある」という台詞は、現実世界での甘っちょろい考えを一蹴しているようで、耳が痛い。

2010年9月15日水曜日

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い

西尾 維新、take/イラスト(講談社、2002/2/7)

本作品は、第23回メフィスト賞を受賞して二十歳でデビューした際の作品。
全9作ある「戯言シリーズ」の1作目。

そもそも、西尾維新作品との出会いは、ジャンプで連載中の「めだかボックス」が最初だが何とも極端な世界観だなぁ、というのが最初の印象。途中でついて行けなくなって拾い読みしかしていなかったのだが、アニメ「化物語」を観た事をきっかけにのめり込むことになった。
で、なぜ戯れ言シリーズかと言えば、単純にデビュー作を読んでみたかったから。
言葉遊び、掛詞、ダジャレなど、軽妙な台詞回しが楽しい。その割、語られるテーマは答えの出にくい普遍的なことだったりするので、飽きることもない。

で、クビキリサイクルの話。
語り部の「ぼく」こといーちゃんが、「青色サヴァン」こと玖渚友の付き添いとして訪れた、赤神イリアが所有する孤島「鴉の濡れ羽島」で起こった密室殺人事件をめぐる話。

登場人物
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赤神イリア:鴉の濡れ羽島の主人
班田玲:屋敷のメイド長
千賀あかり:三つ子メイド長女
千賀ひかり:三つ子メイド次女
千賀てる子:三つ子メイド三女

伊吹かなみ:天才・画家
佐代野弥生:天才・料理人
園山赤音:天才・七愚人
姫菜真姫:天才・占術師
玖渚友:天才・技術屋

逆木深夜:伊吹かなみの介添人
ぼく:語り部、玖渚友の付添人

哀川潤:人類最強の請負人

2010年9月11日土曜日

ユダヤ警官同盟(上・下)

マイケル シェイボン、黒原 敏行/訳(新潮社、2009/4/25)

「SFが読みたい、ベストSF2009、海外編第5位」、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞のSF賞三冠制覇の改変歴史SF。
2007年、アラスカ・シトカ特別区。殺人課刑事ランツマンが暮らす安ホテルでヤク中のユダヤ人、ラスカーが殺された。
プロの仕事と見たランツマンは枕元のチェス盤を頼りに捜査を開始する。
而して、ラスカーはヘスケル・シュピルマン、ヴェルボフ派のレベの一人息子だった。

2010年9月2日木曜日

時の娘 ロマンティック時間SF傑作選

ロバート・F・ヤング他、中村 融(訳)ほか(東京創元社、2009/10/10)

時の娘 ロマンティック時間SF傑作選を読んだ。
SFだからこそあり得るロマンティックな物語9編を収録したアンソロジー。
どれもクラシックだが、読後にジワッと効いてくる感じがいい。

収録作品
チャリティのことづて(ウイリアム・M・リー / 安野 玲)
むかしをいまに(デーモンナイト / 朝倉 久志)
台詞指導(ジャック・フィニィ / 中村 融)
かえりみれば(ウィルマー・H・シラス / 中村 融・井上 知)
時のいたみ(バート・K・ファイラー / 中村 融)
時が新しかったころ(ロバート・F・ヤング / 市田 泉)
時の娘(チャールズ・L・ハーネス / 朝倉 久志)
出会いのとき巡りきて(C・L・ムーア / 安野 玲)
インキーに詫びる(R・M・グリーン・ジュニア / 中村 融)